柄箔とは
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 “柄箔”は、和紙に金や銀を薄く貼り延ばした金箔・銀箔に、顔料・染料等で彩色し、金砂子を振りかけ仕上げたもので絵柄箔・模様箔とも呼ばれています。
西陣織技術の特徴のひとつ、金銀箔(いわゆる“引き箔”)は、中国より伝来したといわれ、主に無地箔が使用されてきました。その無地箔にさまざまな技法で模様を描き、新しい表現を生み出すことが、西陣織の歴史を大きく変えることになり、現在の西陣織りを支えています。
 
柄箔(引き箔)の製造工程
 金・銀箔原紙(和紙)目止め地漆・押漆箔押し柄箔加工裁断
 
 ■金・銀箔原紙(和紙)
西陣織で代表される紋織物は、地組織と紋様組織によって構成されるため、織物を切断すると幾層にもなって分厚くなる可能性を持っております。豪華絢爛な織物であっても、いかに薄い地合いで使用に便ならしなるかが織物に携わるものの技術でもあります。
桃山期から江戸期にみられる豪華絢爛たる能装束には、西陣織技術の特徴のひとつである引き箔が用いられています。この金・銀箔は、古来中国より伝来いたしました。
三椏金・銀箔をつくる技術は、印金の手法を用いたもので「三椏」または「こうぞ」を原料とした薄くて強い紙に、漆を接着剤として、金・銀箔を貼り付け、それを細かく糸状にしたものを造りあげます。
引き箔の金・銀箔は、「三椏」または「こうぞ」を糸状になったものの表面にのみ付着されているので、非常に薄いものとなっております。これをよこ糸として織り込む際には、織面に表面が出るよう竹製のへらにて引っ掛けながらたて糸の間を通していきます。この技術は、西陣織独特のものであり、他産地では不可能なものです。
現在の西陣では、帯地や金蘭などで盛んに使われており、金・銀箔の応用として色漆、染料、顔料等を使用して文様を表す箔もあります。
原紙の「三椏」または「こうぞ」は、おもに高知県等で産し、三年生のものを二月の開花期に採取いたします。
[製作工程]
●採取・蒸込 ●はく皮 ●乾燥 ●表皮除去 ●川晒 ●撰別 ●パルプ製造 ●抄紙
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 ■目止め
目止め原紙(三椏またはこうぞ)を45cmに裁断し、「生麩」「わらび」粉を引き、板に貼り付け乾燥させます。次ぎに、ふのりや柿渋で上塗りをして浸透性を防ぎ、「へちま」にて磨き、艶出しをします。
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 ■地漆・押漆
地漆・押漆下地漆を塗り光沢のある地紙にしたうえ、再び押し漆を(硫黄を混合した漆)を塗ります。この場合、余分な漆を拭き取って箔を貼れるようにする「光押し」と、下地に直接押し漆を塗って箔をはる「錆押し」の二通りあります。

光箔(光押し)・・・・・・箔原紙に艶出しの地漆を塗り光沢を出し(一週間程寝かせる)、その後、接着漆を塗り箔に貼ると光沢のあるものになります。
錆箔(錆押し)・・・・・・箔原紙に直接、押し漆を接着剤として塗り箔を貼ることにより、箔本来の光沢より錆び目に仕上がります。
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 ■箔押し
箔押し丁寧に傷、皺を付けないよう竹製のピンセットにて金・銀箔を貼り付け、箔の密着および光沢を出すために綿布にて軽く拭きます。箔を称するものは、金属を極めて薄く延ばしたもので、金が最も展延性に富み、1gにて60cm四方にもなり、銀はこれに次いで展延性があります。金箔には金の含有量によって等級※1が定められ、1号色(K23.4)から4号色(K22.6)と三歩色(K18)となっております。
箔は、石川県金沢が主製造地とされています。
 
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 ■柄箔加工
柄箔加工箔原紙に金・銀箔を押したものに、着色(染料)、加熱(焼き箔)、箔散らし、色漆やラッカー(顔料)などにて彩色をします。 箔原紙に、色漆やラッカーにて直接彩色し、この上に金・銀箔で模様を表現していきます。

[押し箔以外の金・銀箔と模様箔]
◆金・銀蒸着箔(真空蒸着方法)
密閉空間を高真空にし、内部にて金属を加熱蒸発させ、基板であるフィルムや紙に付着凝固させ、金属の非常に薄い膜を製造する技術。
◆粉金箔
銀真空蒸着した銀箔紙を粉金箔として使用し、金色着色をすることによって、多種の金色や機械的(印刷)にて模様を表現することが可能です。

[箔の種類]
本金箔・銀箔・プラチナ箔・アルミ箔・真鍮箔
◆着色箔
銀箔に一枚ずつ着色。(自由な着色が可能)
 
本金箔の種類 分含量 分有量(百分比)
純金 純銀 純銅
純金 五毛色 100匁 02.00匁 1.0匁 金97087/銀1942/銅0771
純金 一号色 100匁 01.39匁 1.0匁 金97666/銀1358/銅0976
純金 二号色 100匁 02.49匁 0.9匁 金96721/銀2408/銅0870
本焼色(三号色) 100匁 03.49匁 0.9匁 金95795/銀3343/銅0862
純金 四号色 100匁 05.19匁 0.7匁 金94438/銀4901/銅0661
中色 100匁 10.00匁 金90909/銀9091
三歩色 100匁 21.30匁 金75586/銀24414
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 ■裁断
裁断箔原紙に適時加工仕上げされた柄箔を糸状に裁断加工します。1本の太さは織物たて糸の掛込数により異なりますが、曲1寸(約3cm間)を120本(約0.25mm巾)から10本(約3mm巾)に裁断いたします。曲1寸を数本に裁断したものを切数で表し、「90切」(90割)とは曲1寸間を90本裁断したものを表します。
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